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【事例33】利益は出ているはずなのに、資金ショートしそうで困っている

【事例33】利益は出ているはずなのに、資金ショートしそうで困っている

会社を設立して半年ほど経ちました。取引先も徐々に増え、大きな売上が上がるようになってきました。決算書上は黒字です。しかし、仕入れの分の支払いや従業員への給与支払いに追われ、資金繰りに余裕がありません。来月、ちゃんと支払えるのかどうか心配です。利益が出ているのに、資金がショートするなんていうことが本当にあるんですね。

失敗のポイント
自社の資金繰りについて把握できていないようです。利益が出ていても、資金繰りに行き詰まって倒産することを「黒字倒産」といいます。突然の資金不足を避けるため、資金繰り表を活用しましょう。
正しい対応
 資金繰り表を活用して、少なくとも今後3ヶ月のお金の流れは把握するようにします。資金が不足しそうな時期・額等を早めに把握できれば、融資を受ける等の対策を講じることができます。

【解説】

日本における企業倒産の半数以上が「黒字倒産」といわれています。「黒字倒産」とは、利益が出ていて、決算が黒字であるにもかかわらず資金繰りに行き詰まり、倒産してしまうことです。こうした事態が起こる原因は、入金と出金のタイミングのズレによる資金不足です。
会社の会計は「発生主義」で処理しますから、実際のお金の動きとは別に、取引が発生した時点で売上や仕入れの計上をします。ですから、損益計算上は利益が出ていても、その入金よりも経費の支払いのほうが早ければ資金が不足してしまいます。
こうした事態を起こさないために、おすすめしたいのが資金繰り表の活用です。資金繰り表とは、将来の現金の収入と支出を予測した結果をとりまとめたものです。不足する資金の額や時期が事前に予測できるので、早めに対策を講じることができます。少なくとも今後3ヶ月の資金繰りの状況は把握しておきたいところです。
資金繰り表はとくに決まった形式はありません。集計等の利便性を考えると、エクセル等の表計算ソフトを使うのがいいでしょう。次ページのフォーマットを参考にして、自社の使いやすいようにアレンジして活用してください。
資金繰りが危うくなったら、早めに対策を練ります。

資金繰りが危うくなった場合に講じる対策
  • 金融機関からの借入等により資金を調達する
  • 支払いを遅らせる
  • 売掛金の早期回収をする
  • 資産を売却する
また、資金不足が予想される場合には、現金を確保する対策を講じると同時に、原因を探ることが重要です。原因を把握せずに資金の手当てだけしても、一時的には解決できるかもしれませんが、また同じことを繰り返してしまうかもしれません。

マリオ教授
マリオ教授

家計簿と同じでこまめなチェックが必要です。大きな問題になる前に対策を講じましょう。

会社設立後にVC等の出資を受ける場合の注意点と手続

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