出産手当金支給申請書の書き方・記入例!添付書類・提出先について
会社などで働く女性が妊娠した場合に、産休を取得します。
そして、無事出産することになると、出産手当金というものが支給されるのですが、何もしなくても、自動的に支払われるものではありません。
自分でも申請の手続きを行うことができますが、基本的には、会社を通じて、手続きを行うことになります。
そのため、人事・労務などの担当者は、出産手当金支給申請書の書き方について、正しく理解しておく必要があります。
そこで、ここでは、出産手当金支給申請書の書き方について、記入例とともに、くわしく見ていきたいと思います。
目次
出産手当金とは?支給条件・支給期間・金額は?
産休手当(出産手当金)とは、健康保険に加入している人が産休を取った際に、給料が支払われない代わりに、支給される手当のこととなりす。
それでは、この産休手当の支給条件や支給される期間について、くわしく見ていきたいと思います。
産休手当(出産手当金)の支給条件は?
出産手当金の支給対象は、以下となります。
- 社会保険の健康保険に加入している
- 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産である
- 出産のために休業している
出産手当金は、健康保険から給付されるため、健康保険への加入が条件となります。
健康保険に加入しているのであれば、パートやアルバイトなど雇用形態に関わらず、出産手当金を受給することが可能となります。
そのため、夫の扶養に入っており、自分自身が健康保険に加入していない場合や、国民健康保険に加入しているフリーランスや自営業などの人は出産手当金を受給できません。
出産を機に退職し、退職後に出産手当金を受け取る場合は、健康保険組合に加入している期間が12ヶ月以上あることが条件となります。
しかし、産休後も仕事に復帰をする予定であれば、健康保険組合への加入が12ヶ月未満の場合でも出産手当金を受け取ることが可能です。
また、会社によっては、産休中も給料の支給がある場合があります。
その場合には、支給される給料が、出産手当金よりも多い場合には、出産手当金の支給はありません。
産休手当(出産手当金)の支給期間は?
出産手当金の支給期間は、産前産後に会社を休んだ期間となります。
産前の休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から、本人の申請によって取得することが可能となります。
産後の休業は、出産から8週間まで(本人の希望があり医師の許可がある場合は6週間)が義務となっております。
この出産予定日の6週間前から出産後の8週間に、出産手当金が給付されるとことになります。
産休手当(出産手当金)はいくらもらえる?
出産手当金の支給額の計算方法は、以下となります。
過去1年間に大幅な月収の変動がなければ、おおよそ給料の3分の2が支給されるということになります。
支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
- 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- 標準報酬月額の平均額30万円
なお、実際の出産が、出産予定日より遅れてしまった場合には、遅れた日数分も追加で支払われることとなります。
出産手当金支給申請書の書き方・記入例・添付書類・提出先
出産手当金支給申請書の書式は協会けんぽのホームページからダウンロードすることができます。
印刷して手書きで記入することも、PDFに入力して印刷することも可能です。
出産手当金支給申請書は3枚で1セットとなっており、被保険者記入欄・医師等記入欄・事業主記入欄に分かれています。
それぞれの書き方について、見ていきたいと思います。
出産手当金支給申請書の書き方・記入例
被保険者記入用(1枚目)
被保険者情報
被保険者証の記号・番号・生年月日・氏名・住所・電話番号を記入します。
被保険者証の記号・番号に関しては、健康保険証に記載されています。
振込先指定口座
金融機関名称・預金種別・口座番号・口座名義・口座名義の区分を記入します。
受取代理人の欄
振込先指定口座が代理人の場合、代理人の住所・電話番号・氏名を記入し、押印します。
被保険者・医師・助産師記入用(2枚目)
①出産前の申請か出産後の申請か
出産前の申請か出産後の申請かを記入します。
②出産予定日および出産日
出産前の申請の場合は、出産予定日を記入します。出産後の申請の場合は、出産日と出産予定日を記入します。
③出産のため休んだ期間(申請期間)
出産のため労務に服さなかった期間とその日数(公休日を含む)を記入します。
※この箇所に記入した期間が経過する前に提出することはできません。(申請期間が経過した後に提出することになります。)
④出産のため休んだ期間(申請期間)の報酬の有無
この期間に報酬を受けた場合、または今後受ける場合は、「1」を記入します。
⑤④の報酬の額と、その支払の基礎期間
④で「はい」と答えた場合、その報酬の額と、その報酬支払の基礎となった(なる)期間を記入します。
医師 ・ 助産師記入欄
医師または助産師に記入してもらいます。
事業主記入用(3枚目)
それぞれの項目ごとに記入例とともに見ていきたいと思います。
勤務状況
出勤は○で、有給休暇は△で、公休は公で、欠勤は/でそれぞれ表示させます。
上記の期間の賃金支給の有無
上記の期間に賃金を支給したかしていないかに、チェックを入れます。
給与の種類
その際の給与の種類にチェックを入れます。
賃金計算
給与の締日と支払日を記入します。
支給した賃金内訳
期間ごとに支給した賃金内訳を記入します。
その際の賃金計算方法(欠勤控除計算方法等)について、下段に記入します。
出産手当金支給申請書の添付書類・提出先
出産手当支給申請書を提出する際には、必ず添付する書類はありません。
賃金台帳・出勤簿の写しの添付は不要となります。
ただし、以下に当てはまる場合のみ添付書類が必要となります。
提出先は、協会けんぽとなります。
申請後は、支給額が記載された、健康保険出産手当金支給決定通知書というものが申請者へと送付されます。
出産手当金の支給には時間がかかる
出産手当金支給申請書の提出は、出産前と出産後に別々に申請することも出産後にまとめて申請することもできます。
ただし、その都度、事業主の証明が必要であったりするために、基本的には、出産後にまとめて行うのが一般的となっています。
出産後に申請を行った場合には、出産手当金の申請が受理されてから1〜2ヶ月後に、健康保険組合から支給されることになります。
そのため、ある程度、日数がかかるので、従業員の方には、産休から出産手当金が支給されるまでは、給料なども受け取れないことを理解してもらっておいたほうが良いでしょう。
その間の生活費のことも考えた上で、会社側は、スムーズに手続きを行うのが良いですね。
また、あってはいけないことですが、万が一、出産手当金の申請を忘れていた場合でも、産休翌日から2年以内であれば申請をすることが可能であることも覚えておいた方が良いですね。